この記事は、2021年5月4日に発表されたPhoton Fusion – setting the performance benchmark for the next billion players.を翻訳したものとなります。
(2021年6月14日修正)
2020年は、オンラインゲームの需要が明らかになった年でした。 どこにいても、使用できるネットワーク状況がどうであっても、オンラインでお互いの感情をシェアすることが今までになく重要になってきています。 これを受けて、私達は昨年12月のニュースレターでFusionをご紹介しました。 Fusionは、どんなゲームプレイでも、地球上のどこにいても、最高のパフォーマンスを引き出す、革新的な新しいマルチプレイヤーエンジンです。
マルチプレイサービスの基準とすべく行っている私たちの取り組みの一環として、パフォーマンステストの最初の結果を発表したいと思います。 Fusionは、コミュニティから要望のあったAAAの新機能を複数搭載しています。200人のプレイヤーを60hzで対応しながら、より速くなった転送と、帯域幅の減少を兼ね備えており、 その結果より多くのプレイヤーやオブジェクトを処理できるようになったことで、Fusionはマルチプレイエンジニアリングに革新をもたらしました。
パフォ―マンス
ここ数年の間に、インターネット接続が確実に増え、モバイルコンピューティングの爆発的な増加が、リライアブルな高速インターネットインフラストラクチャを上回ることになりました。 Photonのエンジニアリングチームは、クライアントと物理の複合サーバ調整での高速予測を確かなものにするためあらゆる手を尽くし、他に例を見ない速度にたどり着きました。 帯域幅使用量は、MLAPIやMirrorよりも6倍少なくなっています。重要な帯域幅を接続の良くないクライアントに保存しながら、シミュレーションで複製されるオブジェクト数を増やしています。 普通のデベロッパにとって、高性能マルチプレイヤーエンジンに手が届くというのは前代未聞のことです。 改善できる点はまだ多くありますが、初めの一歩を皆さんへ発表できることを嬉しく思っています。
FusionはサーバでのCPU消費を低くし、ゲームプレイ要素に使えるCPUを増やし、サーバスペックやデプロイコストを下げられるように最適化されています。 前代未聞のパフォーマンス力提供の大部分を占めるのは、ランタイム中のアロケーションが0であるという点です。
従来型のネットワークライブラリの補正は、pingに基づいた遅くて大まかなもので全く正確とはいえませんでしたが、Fusionでは、クライアントサイド予測(CSP)、ラグ補正(LC)、スナップショット内挿(SNI)を使用し200人ものプレイヤーで一貫性を保つことで正確なものにしています。 Fusionは、我々の経験から、最小・最速で、最も無駄のないものになるよう設計されています。
進歩
最近のマルチプレイヤーゲームは、クロスプラットフォームのエクスペリエンスを保ちながら多くのプレイヤーやオブジェクトを同期する傾向があります。 我々の顧客からのこの要望が、Fusionをただのシンプルで新しいエンジンとは一線を画すものにする動機づけとなりました。 今いるプレイヤー、そして特に途上国から現れるであろう、数多くのプレイヤーがこれまでにない種類のエクスペリエンスを創るための新しいツールや機能を備えています。 中には、進歩というよりもはや革命とさえいえるものもあります。 Fusionは、ネットワーク状況が悪くても、クライアントにとってリモートオブジェクトがスムーズにビジュアルレンダリングできるような機能を搭載しています。 ホスト移行、ゲームへの後からの参加、再参加用の複合ツールチェーンも搭載しています。 ユニークで影響力のあるリアルタイムのアプリケーションを携えてFusionのプライベートプレビューに申し込みをいただいたコミュニティのクリエイティビティを見ることができるのを楽しみにしています。
過去10年にわたって、経験豊富なAAAのスタジオのみがハイエンドのマルチプレイヤーツールを使用して革新的なゲームを作れるという、業界の常識や決まりを破ることができると信じてきました。 それを実現したのです。すべての人に、プレビューを使っていただけます。
Fusionのネットワークトポロジー
Fusionは専用サーバ、クライアントホスト、共通ワールドという3つのネットワークトポロジーに対応しています。 1つのゲームで、200人入るルームから2人マッチ用のルームまで、サイズの異なる複数のルームに対応できます。 複製 アルゴリズム間を切り替えるFusionの機能で、デベロッパは自分のゲームネットワークを現在のルームの要件に最適な形にランタイムで調整できます。 これらのマッチは、結果整合性(Eventual Consistency)やデルタスナップショット(Delta Snapshots)間の切り替えを行う2つの複製アルゴリズムの実装により実現されました。 高性能な複製はプレイヤー数が多く、チックレートが高い場合に不可欠です。 Fusionのアプローチは、ゲームプレイに集中して、コストおよび安定面で最適な、最も良いアーキテクチャを選択することを容易にします。 どのようなゲームスタイルでも、ワンクリックでベストな成果をお届けします。
現在の製品ラインナップにFusionを加え、 マルチプレイヤーのシナリオの大多数をカバーするようになりました。 今日から、すべてのゲーミングスタジオが、やみくもに試していくのではなく、ゲームプレイに沿った適切なマルチプレイヤーツールを選ぶことができます。 私たちの決定性エンジンであるQuantumと同様、Fusionを取り入れれば、ネットワーキングに頭を悩ませることなく、ゲームの楽しさを追求することに没頭できます。
初めの一歩
現在、Unity用FusionはパブリックBeta版となっており、今年の夏には一般向けに無料版を発表できる予定です。Fusionプロダクトシートもご用意しております。
これまでにご参加いただいた皆様にお礼を申し上げます。 統合のしやすさや、Photon Fusionで実現できる新しい可能性についての理解を深めていただけるような情報を、来週以降またお伝えしていきます。
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